ワーキングホリデー制度とは、オーストラリアが英国・カナダ・日本・オランダ・アイルランド・ドイツ・マルタ・韓国・オランダ・スウェーデン・ノルウェー・デンマーク・フィンランド・キプロス・香港特別行政区・British National Overseasとの政府間で結んだ協定で、それらの国の青年が、オーストラリアでの長期観光と旅費を補うための一時的な就労の機会を与えることを目的としたものです。

就学は最高4ヶ月まで、就労は1雇用主の元で6ヶ月まで、滞在は入国から1年間(セカンドワーホリビザを取得すると1年間延長)。これらを守れば就学も就労も旅行も自由です。オーストラリアは日本の21倍の国土を持ち、縦に3,700km、横に4,000kmもある大陸ですから、1年間かけて5州・1準州・1特別区域すべてに足跡を残してもいいでしょう。それぞれの州、町にそれぞれの匂いと色があります。自分だけの「ワーホリ」を実現してください。

ワーキングホリデービザの申請はまず最初の1年間のみです。この期間中にオーストラリアが定める条件を満たすことで2年目のセカンド・ワーキングホリデービザを申請することができます。つまり最高でトータル2年間の滞在が出来ることになり、この2年間は継続されていなくて構いません。最初の1年間の間に申請条件を満たしておけば、一旦帰国してからセカンド・ワーキングホリデービザを申請することも可能です。

●ワーキングホリデービザの概要

年齢ビザ申請時に18歳以上30歳以下であること
パスポート申請対象国の、有効なパスポートを保持していること
人物・健康人物審査及び健康診断の条件を満たしていること
滞在期間最長期間は12ヶ月
入国期限ビザが発給されてから12か月以内にオーストラリアへ初入国すること。
一旦入国したらビザが有効な限り、何度でもオーストラリアを自由に出入り可能。
就学最長4か月まで可能
就労各雇用主につき、通常は最長6か月まで(ただし、オーストラリア移民・警備省が許可した場合は、一つの雇用主の下で最長12か月まで働くことが出来る場合もある)
所持金オーストラリアからの帰国航空券代および滞在中生活が出来る十分な資金を所持していること
(航空券代+豪5,000ドル相当)
同行者オーストラリア滞在中、扶養家族である子供が同行しないこと
その他オーストラリアの価値観を尊重し、オーストラリアの法律を順守すること

※上記概要は2020年5月1日現在のものです。

●セカンド・ワーキングホリデービザの概要

ファーストビザファーストワーキングホリデービザでオーストラリアに滞在したことがあり、ワーキングホリデービザに課せられている全てのビザの条件を順守したこと
年齢ビザ申請時に18歳以上30歳以下であること
パスポート申請対象国の、有効なパスポートを保持していること
季節労働ファーストワーキングホリデービザで、オーストラリア地方都市において特定活動に3か月以上従事したことがあること(もしくは88日以上の労働日数を証明できること)
人物・健康人物審査及び健康診断の条件を満たしていること
滞在期間最長期間は12ヶ月
所持金オーストラリアからの帰国航空券代および滞在中生活が出来る十分な資金を所持していること
(航空券代+豪5,000ドル相当)
ビザ申請場所オーストラリア国外で申請した場合
ビザ許可時にも申請者がオーストラリア国外にいること
オーストラリア国内で申請した場合
ビザ許可時にも申請者がオーストラリア国内にいること

ワーキングホリデーの意義

自分をみつめるいいチャンス

1年間を自由に使いなさいと言われたとき大抵の人は喜びますが、いざその時になると何をしたらいいのか案外悩むものです。周りの友達の計画に翻弄されたり、日々の生活に流されたりと、思い描いていた海外生活と異なると思うことがあるかもしれません。
しかし、1年間という期間、自由に生活をすることなどほとんどの日本人青年にはなかったことでしょう。学校へ行き、仕事をし、旅行へ行き、どんなに忙しくても明日することがない、来月行くところがないなどと考えたことがある人のほうが少ないはずです。1年間絶対に働かないという選択肢もあれば、1年間旅行を続けるという選択肢もあります。ワーキングホリデーに間違いや失敗などはなく、どのような1年を過ごしても自分を見つめる、世界を見つめるという点では「成功」なはずです。大いに悩み、大いに学び、大いに遊びましょう。

判断力をつける

家族や友人から離れて海外に出ると、一瞬、一瞬がイエスかノーの自己判断の連続です。自分が描いたとおりにいかなくとも、自分が正しいと思った方向へ進まなければなりません。社会がルール付けしてくれるわけではありませんから、すべてが自己判断にかかってきます。自分が考え、信じ、また判断したことを行動に移す1年です。周りの声に流されず、自分がどうしたいのかをしっかり考える最高のチャンスといえるでしょう。

世界各国の人との交流

「文化交流」と一口に言っても、果たしてそれは何?と疑問に思う人もいるはずです。英語で話し、一緒に遊ぶだけが文化交流ではありません。宗教も食文化も考え方も異なる人同士が理解し合うというのは、双方に相当な努力が必要です。相手を受け入れること学び、また同時に自分を主張することも学ぶ。相反することのように思えますが、お互いを認め合うという作業の中で、これらは国際人として最低限求められる要素でしょう。また、日本人の代表として少なくとも日本のことは伝えられなくてはなりません。多文化社会で生活する以上は名ばかり国際人にならないよう、恥をかかなくてもいいよう、多少の勉強をしてから出たいものです。

就学と就労

Ability English Sydney 授業風景

就学(学ぶ)

就学またはトレーニングは最高4ヶ月まで認められています。修学期間がこの期間以上になる場合は、別途学生ビザの取得が必要です。

就学には語学学校やオケイコを学ぶ学校も含まれ、学生ビザでの就学のように政府認定校である必要はありません。またワーキングホリデービザでの滞在期間を通して最高4ヶ月までの規定となっているため、学校を変更したり時期を分けたりしてもトータルで4ヶ月までの就学となります。

限られた期間しかありませんので、得たい技術や能力を考えて、オーストラリアだからこそ出来ることを学びたいものです。

就労(働く)

職種に制限はなく、1雇用主のもとで最高6ヶ月までの就労が認められています。またフルタイム、パートタイム、カジュアル、シフト勤務などの規制もありません。

日本での勤務経験を生かしたり、やオーストラリアへ来たからこその仕事にチャレンジしても良いかもしれません。仕事内容や職種によってはあまり英語力を問わないものから高度な英語力が必要となるものまで様々です。インターンシップ制度を利用して、無給のポジションから有給のポジションへステップアップするような仕事を見つめてみるのも良いでしょう。

経験する

インターンシップ

インターンシップは有給、無給を問わず「就労」として認められています。過去に働いていたことがある業界や業種、または新しく挑戦してみたい仕事を選択することもできます。

インターンシップは基本として「ギブアンドテイク」のシステムです。仕事を教えてもらう、体験させてもらう代わりに労働力や持っている知識を返します。就職をするだけの知識や経験がない場合でも、このシステムを利用することで就業経験を得ることができるという考え方です。学んだ英語、身についた度胸で現地企業での就労へつなげるチャンスでもあります。

ボランティア活動

オーストラリアは奉仕大国ですから、ボランティア団体も多く、特にシドニーでは非営利団体(NPO)だけではなく営利団体も多数参加者を募集しています。

動物保護団体や障がい者団体、環境保護団体、老人保護団体など非営利団体だけでもかなりの種類に上ります。営利団代ではイベント設営や教育現場、メディア業界のPRやマーケティングなど多岐にわたる分野で募集が行われています。

老若男女を問わずオーストラリア社会に溶け込んでみたい留学生にはおもしろい体験となるでしょう。参加日数は1日から数ヶ月まで様々です。

旅行(ラウンド)とファーム

Port Douglas QLD

旅行(ラウンド)

ワーキングホリデービザでオーストラリアに滞在中、旅行に出かける時期や時間に制限はありません。1週間でも1年間でも、連続でも単発でも旅行をすることができます。日本の21倍の面積を誇るオーストラリアは観光名所だけでもたくさんあり、世界遺産だけでも19箇所にのぼります。歴史は浅いながらも自然に恵まれた大地を巡る旅行も楽しいでしょう。

大きなバックパック(リュックサック)に必要な日用品を詰め込み、町から町へと渡り歩く・・・大きな町でシティジョブを探して資金稼ぎをし、お金が溜まったら次の町へと移動していく、そんな生活もワーホリだからこそできることです。

移動手段としては、飛行機、長距離バス、電車、自家用車・バイクなどがあります。目的地まで往路は飛行機で行き、帰りはバスや電車を組み合わせるなどして、小さな町を通過しながら車窓の眺めを楽しむのも旅行(ラウンド)の醍醐味です。

オーストラリアの世界遺産

●文化遺産(3箇所)

  • 王立展示館とカールトン庭園 – (2004年)
  • シドニー・オペラハウス – (2007年)
  • オーストラリアの囚人遺跡群 – (2010年)

●複合遺産(4箇所)

  • カカドゥ国立公園 – (1981年)
  • ウィランドラ湖群地域 – (1981年)
  • タスマニア原生地域 – (1982年)
  • ウルル=カタ・ジュタ国立公園 – (1987年)

●自然遺産(12箇所)

  • グレート・バリア・リーフ – (1981年)
  • ロード・ハウ島群 – (1982年) 
  • オーストラリアのゴンドワナ多雨林群 – (1986年)
  • クイーンズランドの湿潤熱帯地域 -(1988年)
  • 西オーストラリアのシャーク湾 -(1991年)
  • フレーザー島 -(1992年)
  • オーストラリアの哺乳類化石地域(リヴァーズレー/ナラコーアテ) -(1994年)
  • ハード島とマクドナルド諸島 -(1997年)
  • マッコーリー島 -(1997年)
  • グレーター・ブルー・マウンテンズ地域 -(2000年)
  • パーヌルル国立公園 -(2003年)
  • ニンガルー・コースト -(2011年)

Kakadu Escarpment NT

ファーム

ファームへ行く目的は大きく分けて2つあるでしょう。ひとつは単純に大規模ファームや自然を満喫するため、もう一つはセカンド・ワーキングホリデーの権利を取得するために労働するため。もちろんファームジョブをしながら大自然を満喫することもできます。

◇ファーム体験が目的

ファームでのノンビリした生活を体験してみたいのであれば、労働の対価として滞在先と食事を提供してくれるファームを探すと良いでしょう。1日4時間程度(もしくはそれ以上)のお手伝いをすることで、ファームでの滞在ができ、また他の滞在者との交流を図ることができます。

これらの提供先はWWOOFWork Awayで探すことができます。登録には会員費用がかかりますが、一度登録してしまえば滞在中どこからでも次の滞在先ファームを探すことができ、かつ自分が探しているエリアや仕事内容を確認することもできます。WWOOFは有機農場限定、Work Awayはファームだけではなくベビーシッターなどの仕事(無給)も掲載されています。

なお、2020年5月1日以降ボランティアにあたる労働(つまり無給)はその内容の如何に関わらず、セカンド・ワーキングホリデービザの申請条件から外れています。

◇セカンド・ワーキングホリデービザ申請が目的

ワーキングホリデー2年目(セカンド・ワーホリ)を申請するためには、オーストラリア地方都市において特定活動に3か月以上従事しなければなりません。また必ず有給の仕事と限定されています。

有給のファームジョブはフルーツや野菜のピッキングが多く、仕事内容によって(もしくは収穫物によって)季節やエリアが限定されます。そのため、自分が活動できる時期にどのエリアで何の収穫があるかを前もって調べておく必要があります。収穫時期が長いものから短いものまで様々ですから、中途半端なタイミングになると同じエリアでの仕事の継続が難しくなる場合もあります。その場合は移動してファームやエリアを変えていくことになりますから、同一箇所でできるだけ長く働くためには下調べをしてから出かけましょう。

オーストラリア地方都市
参照: Working Holiday Maker (WHM) Program > Regional area

特定活動
参照: Working Holiday Maker (WHM) Program > Specified work

Adelaide Hills SA